手段の目的化とは?
あらゆる仕事において課題になるのが「手段の目的化」です。
意味は、目的を達成するための手段であるはずなのに、手段そのものが目的となる状況を指します。
多くの人が無意識の内にはまる落とし穴なので、きちんと注意を払う必要があります。
具体例とその要因
この状況は長期間同じ業務に携わっている場合によく起こります。
代表例としては次のようなものが挙げられます。
- 商品を売るための手段として客先営業があるはずなのに、客先訪問自体が目的になってしまう。
- 性能を満たすための改良のはずが、改良自体が目的となりオーバースペックの製品を作ってしまう。
- 企業理念を浸透させるための標語・社訓読み上げのはずが、目的を忘れてただただ毎日読み上げている。
以上の例からも分かるように、人は目的を意識することなく、常に同じ手段をとっていると「手段の目的化」が起きやすくなります。
逆にいえば、目的を意識することで「手段の目的化」を防止することが出来ます。
手段の目的化を防止する方策
目的を意識する
手段の目的化を防止するためには、目的を常に意識することが大切です。
そうすれば、自分の今やっている業務は手段の一つでしかなく、他の選択肢を俯瞰的に眺めることが出来ます。
とはいえ、平社員が自分の業務範囲を超えて、全体を眺めるのは難しいです。与えられた業務を確実に遂行することが使命という部分もありますからね。
しかし、目的を意識できているのと意識できていないのでは、業務効率に大きな差が出来ます。その主な理由は以下の2つです。
- 貢献の意識が高まり、モチベーションが向上
- 常に目的にかなった行動選択が可能
手段を変える
手段が目的化する大きな要因に、定常的な作業(手段の固定化)が挙げられます。手段を変えれば、当然目的を意識せざるを得ないので、手段の目的化を防止することが出来ます。
具体例としては次のようなことが挙げられます。
- 社訓読み上げの代替として、年1回社訓に関するグループワークを実施
- 対面営業以外の要素(電話・web会議)なども行動目標に組み込む
以上にあるように、手段を変えることで手段の目的化を防止できます。
定期的な報連相
人は基本的に理由を求める生き物です。ですから、他人が自分の業務について説明している場合、「この人はどうゆう目的や理由で今の仕事に取り組んでいるのだろう?」と考えます。
もちろん、自分の仕事を他人に説明する場合も同じです。仕事の目的を説明しないと納得してもらえません。ですから、自然に手段ではなく目的へと意識が向くわけです。
ですから、定期的な報連相を行うように心がけると良いでしょう。
まとめ
仕事において「手段の目的化」が起きてしまうと、業務効率が低下してしまいます。ですから、問題が起きる前に対策を取っておく必要があります。
そこで、今回は以下に示す3つの対策法をご紹介いたしました。
- 目的を意識する
- 手段を変える
- 定期的な報連相
対策方法は、業務の種類や目的に応じて選択すると良いでしょう。今回ご紹介した対策法を活用して、業務改善活動はしてみてはいかがでしょうか?
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