アナロジー思考とは?意味と使い方を具体例を交えて徹底解説

ロジカルシンキング

アナロジー思考をできるようになると、過去の経験や知識から未知の物事を予測・推論することが出来ます。次から次へと奇抜なアイデアが思い浮かぶ人はこのアナロジー思考が得意な方が多いです。

アナロジー思考とは?

アナロジーの意味は次の通りです。

ある事柄をもとに他の事柄をおしはかって考えること。特に、論理学で、物事の間の特定の点での類似性から、他の点での類似性を推論すること。類推。類比。

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例えば、「鳥が翼を羽ばたかせて飛ぶこと」を知っていれば、「蝶の翅は飛ぶためにあること」を推論することが出来ます。

このように、既知の類似構造を借用して、その構造を未知の対象に当てはめることで、理解の速度を早めることが出来ます。

というわけで、ここからは具体例を交えてアナロジー思考の使い方について解説したいと思います。

アナロジー思考のポイント

アナロジー思考のポイントは、構造を把握して借用することです。これらを意識することによって、アナロジー能力が飛躍的に高まります。

構造を把握する

既知の類似構造を借用して、その構造を未知の対象に当てはめるためには、両方の構造を理解しておく必要があります。

その際に意識するべき構造は、原因と結果・目的と手段の関係です。この構造を意識することで、的確なアナロジーが可能となります。

構造を借用する

因果関係を用いたアナロジーの例を挙げたいと思います。

イルカは尾びれがあるから素早く泳げます。ここでは、尾びれが原因で、素早く泳げるが結果となります。

この因果関係を利用すると、水中で素早く泳ぐ(目的)ために、足ヒレをつけること(手段)を考え付くことが出来ます。

このように、既知の因果関係から目的達成のための手段を考えられます。

アナロジーの具体例

今流行のサブスクリプションサービスも家賃や新聞のアナロジーと考えることができます。

従来のソフトウェアは買い切り型が多く、収入安定性において問題ありました。一方で、家賃収入や新聞収入は安定的な収入を得られることが知られていました。

構造の把握と借用

既知の因果関係を振り返ると次のようになります。家賃や新聞収入は毎月一定料金を支払う仕組みのため、安定収入を得られる。

一方で、現在の目的は売上が乱高下する買い切り型製品の売上安定化とします。

このような背景のもとで、既知の因果構造を借用すると、買い切り型製品のサブスクリプション化によって売り上げの安定化が狙えるのでは?という推論が行えます。

実際に、この効果が認められ多くの企業が様々な分野でサブスクリプションサービスを提供するに至りました。ちなみに、ソフトウェアでこのサブスクを始めて導入したのは、Adobe社です。

アナロジーの能力を高めるために

アナロジーの能力は、一朝一夕に身につくものではありません。様々な経験・知識を吸収・消化することによって初めて身につくものです。

と言いながらも、アナロジーの能力を高める方法があります。それは、経験学習サイクルを意識することです。経験学習の詳細については次の記事を参照ください。

経験学習モデルを意識して、日々の仕事に取り組むことで、自分の経験則(因果関係)を構築することができます。

それをアナロジーに活用すると、ほかの人が思いつかないような解決策を提案することができ、周囲から大変貴重な人材として重宝されますよ。

 

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