今回は、多くの人が勘違いしがちな相関関係と因果関係の違いについて解説したいと思います。
これらの違いを把握できると、結果をもたらした原因を見極めて適切な対策を取ることが出来ます。ですから、皆様も相関関係と因果関係の違いについてしっかり学んでいってくださいね。
相関関係とは?
辞書で相関関係の意味を調べると次のようにあります。
二つのものが密接にかかわり合い、一方が変化すれば他方も変化するような関係。
引用:デジタル大辞泉
そのような相関関係は次の3つに分類できます。
因果関係
因果関係とは、原因と結果の関係を意味します。時系列で考えると、原因が先、結果が後になります。
相関関係を因果関係と言い切るためには、対照実験など科学的手法を用いて、疑似相関や偶然の可能性を排除する必要があります。
当然のことですが、これは文系・理系関係なく必要とされる能力です。
疑似相関
共通の原因から現れる結果①・結果②には、相関関係が現れます。
図表のみでは解説が難しいので、分かり易い具体例として、科目別の成績をご紹介したいと思います。
一般的な学校であれば、各科目の成績は次のように比例します。例えば、数学の成績が良い生徒は英語の成績も良いというような傾向です。
この傾向を見ても、「数学ができるから英語が出来る」や「英語が出来るから数学が出来る」とは考えませんよね?
多くの方は、勉強時間が長いから・地頭が良いから、英語も数学もできると考えるはずです。要は、両者とも他の因子の結果というわけです。つまり、疑似相関と言えるわけですね。
このような具体例だと、相関関係と因果関係を見極めることは簡単ですが、実際の仕事になると複雑性が増し、判断が難しくなることがあります。
ロジックツリーや特性要因図などのツールを活用することをおすすめします。
偶然
場合によっては、偶然相関関係を持つこともあります。
例えば、ラーメン屋の店舗数と日経平均株価に相関関係があるかもしれませんし、東京ディズニーランドの観客動員数と沖縄県の人口にも相関関係があるかもしれません。
このように、全く関係ないもの同士でも相関関係が現れ得るわけですね。
上記のような明らかに無関係と思えるような事象であれば全く問題ありませんが、風が吹けば桶屋が儲かるのようなこともありますので、相関関係があれば一応注視しておく必要があります。
因果関係
辞書で因果関係の意味を調べると次のようにあります。先ほども説明した通り、因果関係も相関関係の一種です。
二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること。
引用:デジタル大辞泉
意味は定義の通りですね。ただ、原因と結果の関係なので、必ず順序があります。当然、原因が先で結果が後です。図で表すと次の通りです。
例えば、「筋力トレーニングをすると筋肉量が増える」というのも因果関係の一種です。筋肉トレーニングという原因によって筋肉量が増える結果が現れたわけですからね。
この具体例だと、因果関係を考えるのは非常に容易ですが、実際の場面においては、複数の要因が複雑に絡み合っています。ですから、因果関係を見つけるだけでも、大きな成果に繋がります。
まとめ
以下の表にあるように、相関関係には3つの分類があります。分類は以下の通りで、相関関係の中に因果関係が含まれています。
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因果関係
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疑似相関
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偶然
実際の仕事では、相関関係の中で因果関係を捉えることが大切になるので、合わせてロジックツリーや特性要因図について学ぶと良いですよ。
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