特性要因図とは、ある結果の要因を系統的に分析するためのツールです。フィッシュボーン図とも呼ばれることがあります。
このツールによって、主要因候補を数多く書き出すことができ、それらに優先順位をつけて対策を取ることができます。
というわけで、今回は原因追求のフレームワークである特性要因図について解説したいと思います。
テンプレートはこちらからダウンロードいただけます。
特性要因図の意味と役割
特性要因図は、ロジックツリーと同じく魚の骨・木の枝のような分岐構造を持ち、末端になるにつれて、真因に近づく構造になっています。
しかし、ロジックツリーとは若干目的が異なります。
ロジックツリーは人に分かり易く説明するためのフレームワークとして利用されます。そのため、MECEや階層のレベル感統一など論理構造のシンプルさが重視されます。
一方、特性要因図は要因を洗い出し改善策を出すためのフレームワークとして利用されます。そのため、MECEや階層レベル感に囚われずに、要因候補を数多く出すことが重視されます。
ロジックツリーは説得ツールで、特性要因図は現実対策ツールと考えても良いでしょう。
特性要因図の使い方
特性要因図には4つの階層があり、上の階層から背骨・大骨・中骨・小骨と呼びます。
- 背骨:原因分析の対象となる結果を記入
- 大骨:大きな要因を複数記入。4Mなどフレームワークの利用もおすすめ
- 中骨:大骨ができた要因を複数記入
- 小骨:中骨ができた要因を複数記入(個別対策ができるレベルに分解)
大切なことは、結果の要因を個別対策できるレベルまで分解できることです。
特性要因図の具体例
ここで、簡単な例を挙げたいと思います。
課題として「商品Aの売上低迷」があるとします。この対策として、商品Aの売上を高める努力をするという対策を考えても具体性がありません。
このような場合に、特性要因図を用いると要因を細分化でき、具体性のある対策を複数挙げるようなことが出来ます。
今回の場合は、マーケティング目線で見るために3C分析を切り口として、特性要因図を考えたいと覆います。
上記のように情報を整理すると、重複する要因が現れます。例えば、原材料が挙げられます。
自社は原料価格も高く・調達にも苦労している一方で、競合は原料BCP対策もとれており、低価格の原料を使用して製品を作っています。
これは、自社と競合の競争力を大きく左右する要素になっていると考えられるので、より詳細の調査・分析が必要となります。
他にも、市場は少量多品種を求めており、競合は対応しているのに対して、自社はその流れについて行けていません。これも、自社がシェアを落としている理由と考えられます。
このように特性要因図を用いることで、結果に対する主要因の発見が容易になります。
まとめ
特性要因図の意味と役割は?
特性要因図は、ロジックツリーと同じく魚の骨・木の枝のような分岐構造を持ち、末端になるにつれて、真因に近づく構造になっています。
特性要因図は要因を洗い出し改善策を出すためのフレームワークとして利用されます。そのため、MECEや階層レベル感に囚われずに、要因候補を数多く出すことが重視されます。
現実の問題は、MECEや階層レベルで分解できるほど単純な構造をしていませんからね。
特性要因図の使い方は?
特性要因図には4つの階層があり、上の階層から背骨・大骨・中骨・小骨と呼びます。
大切なことは、結果の要因を個別対策できるレベルまで分解できることなので、場合によって4つ以上の階層を作っても問題ありません。
皆さんも原因追求に行き詰った時には、この特性要因図を用いてみてはいかがでしょうか?
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